皆さんは、ホストのお仕事にどのようなイメージを持っていますか?
「シャンパンを飲みながら女性とお話をする仕事」などと華々しいイメージを持つ方も多いと思います。
しかし実際は、新人時代の下積みや、営業時間外の努力が欠かせないお仕事。
特に男性は、ホストクラブに訪れたことが無い方がほとんどかと思いますので、実際はどのような仕事をしているのか、接客以外に何をしているのかイメージがつきにくいですよね。
また、「稼げる」イメージが強いホストですが、実際どのような給料形態になっているのか気になる方も多いかと思います。
そこで今回は、ホストクラブで働くための基礎知識について解説していきます。
ホストクラブの仕事内容
ホストクラブで働く従業員は、「接客スタッフ」と「内勤・店舗運営スタッフ」に分かれています。
今回は、「ホスト」と聞いて多くの方がイメージするであろう「接客スタッフ」についてご紹介します。
営業時間の仕事内容
主に、担当のお客様の接客や他のホストのヘルプなどを行います。
ホストクラブに訪れるお客様は、様々な目的を持って来店します。友達との飲み会のように楽しく盛り上がりたい人や、恋人のような雰囲気を楽しみたい人、日常の話を聞いて聞いてほしい人など、用途は様々です。
どんな目的を持ったお客様に対しても、楽しい時間を提供することがホストの役目になります。
接客以外では、お酒作り・テーブルセット・ライター業務なども接客スタッフのお仕事です。
営業時間外の仕事内容
ホストのお仕事は、営業時間だけではありません。
営業時間前後には、ミーティングやお店の掃除なども行います。(お店によっては、営業時間前後のミーティングがなかったり、売上の多い店舗だと清掃業者を雇っていることも。)
また、同伴やアフターをしたり、それ以外の時間に営業連絡をすることも、お客様に来店していただくための欠かせないお仕事です。
同伴…営業前にお客様と出かけ、そのまま出勤すること。開店直後から指名をもらえることがメリット。
アフター…営業後にお客様と出かけること。基本的に閉店までいてくれたお客様と行くことが多い。
同伴やアフターは、お店や個人の売上に関わることはありません。また、キャバクラなどとは違い、会計は基本的にホスト側が負担します。
本指名をもらい続けるためにも、同伴やアフター等を利用してお客様との関係を構築しておくことが重要になります。
このように、営業時間以外にも様々なアプローチを行うことで、ホストのお仕事は成り立っているのです。
ホストの勤務時間
勤務時間は、アルバイトで働く場合はある程度融通が効き、レギュラーで働く場合は7~8時間程度が一般的。
先述した通り、お店の開店前や開店後には、店の掃除やミーティングなどが行われています。前後どちらに行うのかはお店によって異なりますので、営業時間プラス1時間程度を基本的な勤務時間と考えて良いでしょう。
ホストクラブの営業時間には2種類ある
ホストクラブは、ホストがお客様に「接待」をする飲食店のため、風営法において「風俗営業」にあたります。
風俗営業許可を受け風俗営業を行う場合、原則として「午前0時または1時から午前6時までの間(※)」は営業することができません。(※営業禁止と定められている深夜時間は都道府県によって異なります。)
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」が正式名称。風俗営業などにより店舗の周辺環境や子供の健全な育成に悪影響を及ぼさないように、一定のルールを定めている。
そのため、ホストクラブの営業時間は「午前0時または1時から午前6時までの間」を避けた時間帯となっており、夕方~深夜0時頃までの「1部営業」と、早朝6時頃~昼12時頃までの「2部営業」の2種類になります。
ホストクラブのメインとなる時間は夜になりますので、ほとんどのお店では「1部営業」が採用されています。
「1部営業」と「2部営業」の両方の営業時間があるお店の場合は、どちらか働きやすい方を選んで勤務します。
どちらもメリットデメリットがありますので、双方を考慮して自分に合った方を選んでみましょう。
1部営業
「1部営業」の営業時間は、18時頃~深夜0時頃まで。ホストクラブが最も盛り上がる時間帯です。
客層は様々で、客数も多いため稼ぐチャンスが多く巡ってきます。しかし、客数に応じてホストの数も多いため、売れっ子ホストにお客様を取られてしまうという可能性も考慮しなくてはなりません。
また、営業が終わるのが深夜になるため、アフター先に困りやすいというデメリットもあります。
しかし、先述した通り「1部営業」を採用しているお店が多いため、求人が多く自分に合ったお店が見つけやすいというメリットがあります。
2部営業
「2部営業」の営業時間は、早朝6時頃~昼12時頃まで。
昼間の営業になるので、夜に時間を取りにくい主婦や、夜にお仕事をしている女性が多く訪れます。
営業時間が終了するのがお昼頃なので、「1部営業」と違いアフター先に困ることはありません。
しかし、早朝6時から営業開始のため、準備時間等を考慮すると起床は深夜になります。よって、最初は生活リズムを整えるのが大変かもしれません。
また、「1部営業」に比べて「2部営業」を採用しているお店は少ないため、求人を見つけるのが難しいというデメリットがあります。
しかし、自分に合ったお店を見つけることができれば、ライバルが少ないため、早く売れっ子ホストになれるという可能性があります。
ホストクラブの給料形態
ホストクラブで働く接客スタッフには、「レギュラーホスト」と「アルバイトホスト」が存在します。
それぞれ給料形態が異なりますので、分けて解説します。
レギュラーホスト
レギュラーホストというのは、お店の営業日に毎日出勤するホストのこと。
一般的なホストクラブでは、固定給ではなく、売上金額に応じて給料が増えていく「完全歩合制」を採用しています。
歩合給
「完全歩合制」により支給されるのが「歩合給」です。
ホストクラブでは、ホストが売り上げた金額がそのまま全てホストの給料になるわけではありません。売上から、お店の利益や経費等を除いた金額がホストの給料になります。
そして、その割合のことを「バック率」と呼びます。
ホストの売上が100万円でバック率が60%の場合、60万円がホスト個人の給料になります。
バック率はお店によって基準が異なり、またホストの売上額によって変動します。
ホストが売上を上げれば上げるだけバック率が上がり、歩合が上がる仕組みとなっています。
また、歩合給の元となる売上の計算方法には「総売計算」と「少売計算」の2種類が存在します。
総売計算…個人の全ての売上を元に計算
少売計算…全ての売上からTAXを除いた金額を元に計算
どちらを採用しているのかはお店によって異なりますので、事前に確認することをおすすめします。
最低保証
売上が全くない状態でも最低限もらえるお給料のことを「最低保証」と呼びます。
新人期間のなかなか売上を上げることができない時期でも、給料が0円になることはないので安心です。
最低保証と歩合給を比較して、高い方が給料として採用されます。
最低保証には保証期間が決められていることが多く、その期間は3ヶ月~半年が一般的。お店によっては「永久保証」があることも。初心者にとっては保証期間が長いと安心ですね。
賞金
お店によって様々な賞金が用意されており、主に結果を残したホストに賞金が贈られます。
中には売上に関係ないものもあり、新人でも賞金獲得のチャンスは多くあるかと思いますので、積極的に狙っていくことをおすすめします。
アルバイトホスト
お店によって、時給や日給などの「保証給」が定められており、そちらにプラスして「歩合給」をもらえるのがアルバイトホストの一般的な給料形態です。
レギュラーホストの「最低保証」と違い、「保証給」には特に保証期間は定められていません。
その変わり、レギュラーホストに比べ「歩合給」のバック率は低く設定されています。
ホストクラブの福利厚生・待遇
福利厚生や待遇はお店によって大きく異なりますが、大きなグループ店舗ですとかなり充実した福利厚生や待遇を受けることができます。
お店選びに迷った際の判断材料にしても良さそうです。
下記に、ホストクラブで実際に採用されている福利厚生や待遇の例をまとめました。
福利厚生・待遇例一覧はこちら
・月給制度
・日給保証
・入店祝金
・賞与有り
・交通費支給
・住宅手当
・皆勤手当
・年金補助
・扶養手当
・友達紹介謝礼
・随時昇給、短期昇格有
・食事補助
・店へ徒歩圏内の寮に即入寮可
・上京費用支給
・会社負担で健康診断や予防接種可能
・有給・公休・旅行休暇
・完全無料で従業員旅行に参加可能(積立金不要の店舗も有り)
・副業・掛け持ちOK
・履歴書不要
ホストクラブならではの福利厚生・待遇例一覧はこちら
・即日体験可能
・面接後に即勤務
・ヘアメイク代支給
・勤務用スーツ貸与
・個人ロッカー完備
・専属ヘアメイクアーティスト在籍
・完全無料でレクリエーションに参加可能
・売上アップのための講習会に参加可能
・従業員が無料で利用できるアフターバー有
・提携美容院で社割可能
・提携スタジオで社割可能
・提携美容整形外科で社割可能
・弁護士・税理士・行政書士・司法書士の顧問契約有り
・お酒NGでもOK
・雑誌出演
・TV出演
上京費用や従業員寮の用意、住宅手当などの福利厚生があるお店もありますので、地方から上京してホストクラブで働きたいという方にも嬉しい待遇ですね。
ホストの身だしなみ
服装
ホストの服装のイメージというと「スーツ」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、現代では「私服」の割合が圧倒的に多くなりました。
売上が上がるにつれて好きな服を買い、毎日おしゃれを楽しめるというのも私服接客の嬉しいポイントかもしれません。
また、服装により他のホストとの差別化を図ることもできます。良い服を着ることでホスト自身の自信にも繋がります。
お店のコンセプトによって、スーツやシャツ、上下セットアップの服装が指定されている場合もありますので、自分の好みに合ったお店を探すことをおすすめします。
また、スーツが指定されている店舗では、ほとんどの店舗でスーツの貸与があるので確認してみると良いでしょう。
イベント日などはホストみんなで決まった服装をすることもあるようです。
髪型
髪型は、しっかりとセットした状態で接客をしましょう。
出勤前に美容室を利用したり、お店専属のヘアメイクさんにお願いしたり、自分でセットしたりとホストによって様々です。
お店で契約している美容院を利用することができたり、ヘアメイク代を支給してくれる福利厚生があるお店もありますので、求人を探す際は注目してみると良いでしょう。
ホストクラブを経営するためには
ホストクラブで働き、後々はホストクラブを経営したいと考えている方にはこちらの記事がおすすめです。
まとめ
今回の記事でご紹介した、ホストクラブで働くための基礎知識をおさらいしましょう。
- 接客スタッフの仕事は、接客だけではなく多岐に渡る
- 営業時間外の同伴・アフターや営業連絡も重要
- 勤務時間は、7~8時間程度が一般的
- 「1部営業」と「2部営業」のどちらかで勤務する
- レギュラーホストの給料形態は「完全歩合制」を採用している
- 店舗によって様々な福利厚生が用意されている
- 私服接客が基本だが、店舗によって異なる。髪型はしっかりセットする
こちらのポイントを抑えて、自分に合ったお店を探してみましょう。
また、待遇面はお店によって異なる部分が多く存在するので、働く前に必ず確認するようにしてください。