メディアに出演するホストも増え、近年なにかと注目を集めているホスト業界。
きらびやかな世界で大きな金額が動くとなると、経営に興味を持つ方もいるのではないでしょうか。
また現在プレイヤーという方にとっても、次の選択肢としてオーナーを夢見ている方も少なくないでしょう。
しかしそこで壁となるのが開業資金や運転費用。
先立つものがなければ始めることもできません。
そこでこの記事では、ホストクラブを開業するとしたら最低いくら必要なのか、資金の集め方にはどんな方法があるのか、必要な費用を安く抑える方法はあるのか、といったことについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、開業の際の参考にしてみてください。
ホストクラブの開業に必要な費用の相場
ホストクラブの開業と聞いて、真っ先に費用(開業資金)がどの程度必要なのか気になる方がほとんどではないでしょうか。
きらびやかな世界を提供するには、それ相応の費用が発生します。
まずはイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(運転資金)に分けて見ていきましょう。
イニシャルコストは最低600万円~が目安
イニシャルコストは最低でも600万円以上を見ておいてください。
初期にかかる費用の主な内訳は以下の通りです。
・物件の取得費(保証金、敷金・礼金など)
・内装工事費
・什器や食器代
・備品代
・広告宣伝費(集客、求人)、看板代
・事務手続き費用
この中で特に大きな割合を占めるのは物件費用と内装工事費用です。
物件費用は通常、家賃数か月分を要することが多く、まとめて支払います。
また内装工事費用もこだわればキリがありません。
かと言ってあまり抑えすぎてしまうと、今度はホストクラブの売りである非日常的な空間の演出が叶いません。
最後の事務手続きについては、店舗の開業や営業に必要な資格・許可の取得にかかるものです。
不安な方は専門家に依頼することも可能ですが、その際も費用は発生します。
6ヵ月分の運転資金450~600万円も準備する
運転資金は最低でも450~600万円ほどを準備してください。
開業したての頃は固定客がいないことや知名度の低さ、提供サービスが不安定になりがちなこと等により売上が上がりづらいもの。
そのため安定的な黒字が出るまでの目安として6か月を設定し、その間にかかる費用分は開業時に確保しておく必要があります。
ホストクラブの規模にもよりますが、かなり小規模で数人の人員で開業したとしても、毎月の人件費や広告費で75万円~100万円はかかります。
・75万円×6か月=450万円
・100万円×6か月=600万円
これはかなり少なく見積もっていますので、当然ながらもっと多くのお金を準備できれば人員を増やしたり、軌道に乗るまでの期間を長く取れたりします。
目安として初期費用と合わせて約1,000万円は準備しましょう。
2,000万円ほど用意できれば、内装にこだわったり人員を増やしたりできますから、より安泰です。
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ホストクラブの開業費500万円の内訳
ここでは仮に開業費(イニシャルコスト)を500万円用意できた場合のシミュレーションをしてみます。
詳しい内訳は以下の表の通り。
項目 | 費用 |
①物件の取得費 | 300万円 |
②内装工事費、設備費、備品・什器購入費 | ~600万円 |
③集客・求人広告費 | 100万円 |
表の費用を全て合算すると1,000万円が必要となっています。
ただし、②の内装や設備面は場合によって安く抑えることが可能です。
例えば元々がホストクラブやラウンジだった箱の居抜き物件であれば、費用が大幅に減ります。
多少の手入れは必要になりますが、費用を3分の1程度に抑えられたと仮定したら約200万円で、500万円~600万円での開業が視野に入ってくるでしょう。
③の広告費も無料の集客・求人広告がないわけではありませんが、おすすめはしません。
求人が滞り満足な接客体制が整えられなければ、お客さんはすぐに離れてしまいます。
集客が弱ければ売上が立たず、稼げないとなるとキャストの退店リスクが高まります。
そのため、お店の露出に関わる部分は可能な限り費用を投じてください。
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ホストクラブの開業に伴う資金の集め方
開業に必要な費用が分かったところで、肝心の資金集めについても確認しましょう。
どのように集めるのが効果的なのか、自分ならどの方法が実施可能なのか、照らし合わせてください。
プレイヤーとして経験を積みながら貯金
もっとも現実的なのが、プレイヤーとして経験を積んでいる間に貯金をすることです。
ホストは他業種に比べて売れた際のリターンが大きく、貯金の速度を上げられる可能性があります。
また内部事情にも詳しくなりますから、効果的な資金運用もしやすくなるでしょう。
直接的に資金とは関係しませんが、やはりプレイヤー経験がなければ従業員への言葉も説得力が薄くなり、お店をまとめ上げることが困難になります。
プレイヤーをしながらというのは一見、遠回りに見えるかもしれませんが、最も確実で開業後にもメリットのある貯め方と言えるでしょう。
投資家や共同出資者を見つける
必要資金を自力で貯めることが難しい場合、投資家や共同出資者を探すという手もあります。
リターンが見込めるようであれば投資家と話をつけやすいですし、志を同じくする方がいれば共同で出資し合うといったことも期待できるでしょう。
投資家については、起業者と投資家を繋ぐマッチングサイトを活用するのが一番分かりやすい方法です。
とはいえ、多くのサイトにおいて起業者のほうが投資家より遥かに多いのが現実。
サイトにもよりますが、概ね3倍~5倍は差があります。競争率が高いことは覚悟しておきましょう。
知人や家族などに借りる
身近な手法として、知人や家族に借りるという方法もあります。
相手のことをよく知っている分、借りるほうも貸すほうもある程度安心感をもってやりとりができるでしょう。
普段からの付き合い方が良好であれば相談に乗ってくれるでしょうし、金融機関に借りるより融通や利子の部分で助かることも多いはず。
ただし、お金は最大のトラブル要因でもあります。
知った相手だからといって、あまりにも頼りすぎたりだらしない対応をしたりすれば、大切な存在を失うことにも繋がりかねません。
どんなに見知った相手であっても、借りる際にはきちんとルールを定めて守るようにしましょう。
金利については、借入額にもよりますが出資法により最大で20%までと定められています。それ以上の利率は刑事罰の対象となるため、業者・知人問わず借入れる際の条件は注意深く確認しましょう。
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ホストクラブの開業費を安く抑えるコツ
目標としている開業資金を集めるのが難しい場合、そもそもの必要資金を下げる方法を模索してみるのも良いでしょう。
ここでは3つの手法をご紹介します。
内装や設備が整った居抜き物件で始める
「ホストクラブの開業費500万円の内訳」でも触れていますが、内装や設備をホストクラブとして流用できる居抜き物件を探してみるのも良いでしょう。
数は決して多くはありませんが、日頃から物件をチェックしていれば運よく見つかることも。
特に内装関係を抑えられると、かなり必要な金額が変わってくるため探してみる価値はあります。
人脈やSNS経由の求人で人材を確保する
企業のサービスを使わず、人脈やSNS経由による求人で人材を確保すれば、金額を抑えられる可能性があります。
営利を求める企業と異なり、紹介料程度で済む場合や費用が発生せず人材を確保できる場合もあるでしょう。
この際の人材については、店舗の運営に直接関わるスタッフ等の他に、優良な物件を融通してくれる人材までさまざま含みます。
注意点としては、自身が知る相手ならばある程度安心ですが、SNS経由の場合は身元がはっきりしているかどうか、実績があるかどうかを確認しましょう。
また、もし共通の知人がいる場合はその人物の人となりや信頼性を聞いておくのがおすすめです。
既存のホストクラブを買収(M&A)する
かなりレアな話にはなりますが、既存のホストクラブを買収(M&A)するという手段もあります。
この場合、既にホストクラブとして営業していますから開業準備をスキップできます。
状況によっては、スタッフやお店についているお客さんをそのまま引き継ぐことも可能でしょう。
しかしこの手法の懸念点として、必ずしも安く済むわけではないということが挙げられます。
特にある程度価値を残した状態のお店であれば、前述した開業資金の1,000万円~2,000万円を軽く超える金額が必要になる可能性もあります。
この場合、絶対的な額として安く済むというよりは、本来かかったであろう額よりも安く済むという考え方のほうが正しいかもしれません。
例:本来5,000万円の価値があるお店を3,000万円で買収できて安く済んだ、など。
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まとめ:ホストクラブ経営の第一歩!開業費用を知り必要な資金を集めよう
ホストクラブの開業に必要な費用や資金の集め方・抑え方についてご紹介しました。
本記事の要点は以下の通りです。
- 初期費用は約600万円、運転資金も合わせて1,000万円が目安
- プレイヤーとして貯金する他、投資家や知人を頼るといった方法もある
- 居抜き物件や人脈などを活用した、費用を安く抑える方法も検討しよう
ホストクラブは大きな金額が動く華やかな世界。
経営者になれば、相応の資産を手に入れることも可能です。
またプレイヤーからのセカンドキャリアとして目指すのも良いでしょう。
ぜひ本記事を参考にして開業資金を調達し、ホストクラブの経営者を目指してみてください。
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