最低500万円ほどあれば開業できると言われているキャバクラですが、より少額の資金で開業できることをご存知でしょうか?
この記事では、キャバクラを少額開業するコツや資金調達方法を解説!資金の内訳や必要な資格・書類など開業にまつわる情報もまとめておりますので、ぜひ参考に準備を進めてみましょう。
開業資金を少しでも抑えられると、浮いた分を運転資金に回すことも可能。多額の資金を確保できない方や余裕を持って経営をおこないたい方は、ぜひご一読ください。
キャバクラの開業資金は最低500万円が目安
キャバクラの開業資金は、箱のエリアやキャパシティ、内装のグレードといった条件次第で異なります。
競合が多い一等地以外のエリアかつ居抜き物件では、最低500万円程度で開業することができます。しかし、歌舞伎町や北新地などの一等地で開業する場合は、物件の取得費が高額な傾向にあり、物件を押さえるだけで500万円以上かかる場合も。
また、スケルトン物件(建物の躯体だけの状態の物件)は内装工事や厨房設備の設置といったコストがかかるため、居抜き物件での開業に比べて初期費用が必然的に高くなります。
さらに、壁や照明、ソファ、テーブルといった内装にこだわれば開業費用は青天井に。例えば高級店をコンセプトにし、銀座の広い物件を押さえてラグジュアリーに仕上げるなら1,000万円以上かかってもおかしくないでしょう。
「開業資金をそんなに準備できない……」という方は、夜に営業している既存店の営業権を貸借して朝キャバを開業する方法もあります。少数精鋭のキャストでお店を回せば、より少額の費用でキャバクラを経営することが可能でしょう。
▼キャバクラ経営者の年収目安と失敗を防ぐコツは、次の記事で詳しく解説しています。
開業資金の最低目安500万円の内訳
一等地ではないエリアにある居抜き物件でキャバクラを開業する場合、主な費用項目は次の通りです。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 備品代
- 広告費
- 風俗営業の申請(外部委託)
- 看板代
ここからは、開業資金の最低目安500万円の細かい内訳をご紹介します。ぜひ把握しておきましょう。
物件取得費:330万円
キャバクラの店舗を借りるための物件取得費の目安は330万円。開業資金の目安が500万円なので、物件取得費がそのほとんどを占めることになります。
内訳 | 目安 |
---|---|
初月分の家賃(地方) | 30万円 |
保証金(家賃8ヵ月分程) | 240万円 |
仲介料(家賃1ヵ月分程) | 30万円 |
火災保険・鍵交換代 | 20万円 |
管理費やその他雑費 | 10万円 |
今回は地方で開業する場合を例にしています。エリアや物件の広さによっても家賃は変動するので、念頭に置いておきましょう。
また、2カ月目以降は家賃がランニングコストとしてかかってくるため、上記に加えて3ヶ月以上分の家賃を準備しておくと安心ですね。
内装工事費:50万円
内装工事費は最低でも50万円ほど必要。予めある程度の設備が揃っている居抜き物件では、内装工事費を大幅に削減することが可能です。
ただしキャバクラは女性キャストの質に限らず、空間の雰囲気そのものにも価値があります。こだわりある内装は、豪華さや非日常感を演出するためには必要不可欠。内装のコストカットを優先するとお客さんの満足度に影響を及ぼす可能性があります。
開業資金を抑えたいなら、お客さんの目が届かない厨房や事務所の設備グレードを落とすことをおすすめします。とはいえ、職場環境の充実度はスタッフの働きやすさを左右するため、営業に支障がない範囲で行いましょう。
備品代:50万円
テーブルやソファといった大きな設備以外にも、おしぼり・グラス・灰皿など日頃の営業で使用する備品が必要です。
その他、コースターや伝票ホルダーなど細かいアイテムも揃えないといけないため、備品代は50万円を目安に用意しておきましょう。
また、備品代は各アイテムのグレードやお店のキャパに応じた数量に比例して高くなります。グラスや灰皿に店名やロゴを入れるとなると、さらに費用がかかるケースも。
用意しないといけない備品は多岐にわたるので、大量仕入れをはじめ有益な方法で一つひとつの費用を抑えたいところですね。
広告費:30万円
キャバクラの開業資金の中でも忘れてはいけないのが広告費です。
広告費は主に女性キャストを募集するための費用。用いる媒体や集める人数によって異なりますが、30万円ほどを目安に考えておくと良いでしょう。
▼キャバクラ広告の選び方と営業・求人別のおすすめ媒体は、次の記事でご紹介しています。
キャバクラの求人における一般的な広告手法としては、求人のポータルサイトや無料案内所、雑誌の広告枠などが挙げられますが、昨今はネットを使った情報収集が主流。基本的には求人のポータルサイトに広告を掲載するという方法が効率的でしょう。
広告媒体によって掲載料金や対応エリアなどが異なり、中には無料掲載プランがある媒体も。まずは、さまざまな媒体の特性や費用感をチェックしてみることをおすすめします。
当サイトでは、キャバクラをはじめとするナイトワーク業界に特化した求人広告媒体を多数ご紹介可能です。お店に合った媒体のご提案も可能なので、キャバクラの開業をお考えの方はぜひお問い合わせください。
風俗営業の申請費(外部委託):30万円
キャバクラを開業するには、風俗営業許可を取ることが必須。後述で詳しく解説しますが、申請には多数の書類が必要で手間がかかるうえに、少しでも不備があれば受理されません。
受理されなければ、営業開始日が延期になってしまうリスクもあります。そのため、外部に依頼するオーナーがほとんどです。
申請の手続きを行政書士へ依頼する際は、30万円ほどの費用が必要になります。自分ですべて対応する場合は5万円ほどで済むものの、申請だけでも膨大な時間がかかってしまうことに。
開業まで余裕があれば自分で申請をおこなって、外部への申請費を運転資金に回すのも良いでしょう。
看板代:10万円
外を歩く人々が自店のキャバクラを認識し営業しているか判断するために必要な看板。入口の上に設置したり窓ガラスに装飾したり、突き出しで目立つようにしたり仕様はさまざまです。
また、デザインは店名と電話番号を入れるシンプルなものからサービス内容や料金の記載があるものまで多種多様。
仕様やデザインによって金額の差はあるものの、10万円前後が相場です。キャバクラの看板は集客ツール としての役割も果たすので、コンセプトや料金が分かりやすいデザインのものを制作することをおすすめします。
キャバクラの開業資金を抑える3つのコツ
「運転資金のことを考えると、できれば500万円以下でキャバクラを開業したい……」という方も少なくないでしょう。
この項目では、キャバクラの開業資金を抑える方法を解説します!これから紹介する3つのコツを押さえると、少額費用での開業が実現できるかもしれませんよ。
1.居抜き物件を選ぶ
先述した通り、内装や水回りなどの工事が必要なスケルトン物件は、300万円前後の内装費に加えて工期も要します。
できるだけ開業資金を抑えるおすすめの方法は、内装や設備がある程度残っている居抜き物件を選ぶこと。工期が発生しないため、比較的早く営業を始められるのもメリットですね。
もちろん開業資金が潤沢にある場合は、スケルトン物件を借りてコンセプトにこだわった内装に仕上げるという選択肢もありますよ。
2.風俗営業の申請を自分で対応
キャバクラを開業する際、管轄の警察署から「風俗営業許可」、保健所から「飲食店営業許可」を得るために、それぞれ申請を行う必要があります。
先述した通り、申請の費用は合わせて約5万円。これらの手続きを行政書士へ依頼する場合は30万円前後の費用がかかってしまいます。この金額を痛手に感じる方も多いはず。
開業費用を抑えたい方は、申請手続きを自分で対応するのもひとつの手。手間はかかりますが25万円ほど節約可能です。申請の際は、書類に不備がないかしっかり確認して提出しましょう。
3.コネクションを活用してキャストを確保
キャバクラを開業するうえで、抑えたいのが広告費。ポータルサイトや無料案内所、雑誌といった広告を使って求人を募ると費用がかかってしまいます。
ナイトワーク業界にコネクションがある場合は、知人や友人に声をかけてキャストを確保すれば広告費を削減できますよ。
ただし、コネだけではキャストを一気に集めにくいのがデメリット。それなりの応募数に期待できる各種広告に比べると、効率が悪いでしょう。また、キャストが退店する度に知人や友人に声をかけて人員補充するのは難しいかもしれません。
とはいえ、コネを活用するのは開業資金を抑える有益な方法です。コネがない場合は無料で掲載できる広告媒体のプランを調べてみましょう。
当サイトでは、店舗状況に合わせた求人広告のご提案が可能です。低予算プラン・無料掲載プランがある媒体もご紹介できますので、求人にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
キャバクラの開業資金を調達する方法3選
キャバクラをはじめとする風俗業種は、民間の金融機関や日本政策金融公庫からの融資を受けにくいのが実情。
この項目では、キャバクラの開業資金を調達する方法を3つご紹介します。いろいろな方法を試して、開業の目標金額を集めてみましょう。
1.目標額を目指して貯金する
メリット | デメリット |
---|---|
負債を作らずに開業可能 | 目標額を貯めるのに時間がかかる |
月々の返済が発生しない自己資金は、精神面の負担が少ないのがメリット。開業当初は売上が不安定になることが予測されるため、金銭面に限らず、いかに精神面の負担も減らせるかも大切になってきます。
時間をかけてコツコツ貯金する必要はありますが、負債を作らず開業したい方には最適と言えるでしょう。
2.家族や知人・友人に借りる
メリット | デメリット |
---|---|
お金を借りる際に利子が発生しない | 返済を巡ったトラブルのリスク |
信頼関係のある家族や知人、友人に協力してもらうのもおすすめです。ただし、あくまでも借金になるため、後からトラブルに発展してしまう可能性もゼロではありません。
トラブルを回避するには、書面で契約を交わすことが必須。返済期間や金額についての契約を形として残すことで、自分自身を守ることにも繋がります。
3.共同出資者を見つける
メリット | デメリット |
---|---|
一人あたりの出資額が抑えられる | 信頼できる相手と巡り合うまでが大変 |
自己資金だけでは足りない場合、共同出資者を見つけるのも手です。見つける方法としてはコネクション以外にも、起業家&投資家に特化したマッチングサイトの活用が挙げられます。
とはいえ、トラブルが起きやすいのがデメリット。共同出資を成功させるうえで、信頼できるパートナー選びは避けて通れません。
また参考として、とある起業家と投資家のマッチングサイトによると、会員登録比率は約3:1で起業家の方が多いようです。やはり競争率は高いと言えるでしょう。
キャバクラの開業に必要な資格や開業の流れ
キャバクラの開業にも資格って必要?
開業の流れが知りたい
そういった方々のために、こちらではキャバクラの開業に必要な資格や書類、大きな流れを解説します。疑問を解消して、開業の準備を不安なく進めていきましょう。
必要な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」
キャバクラを開業する際に必要な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つがあります。
まず1つ目は「食品衛生責任者」。こちらの資格は、食品衛生法に則って管理運営を行う責任者としての資格です。
お酒やおつまみなどを提供するキャバクラでは、食品衛生責任者の配置が1店舗につき1名以上必要。「食品衛生責任者養成講習」を受講することで取得できますよ。
2つ目の「防火管理者」は、店舗の消防計画の作成と防火対策の責任を負う管理者としての資格。こちらの資格には甲種と乙種の2種類があり、延床面積(300平米以上または未満 )により異なります。
取得方法は、「甲種防火管理新規講習」「乙種防火管理講習」「甲種防火管理再講習」のいずれかを受講することが条件です。
必要な書類と開業の流れ
キャバクラを開業するためには「風俗営業許可」と「飲食店営業許可」を得る必要があります。申請の際に必要な書類は以下の通りです。
風俗営業許可
許可申請書 | ・許可申請書(別記様式第1号)【風俗営業】 ・許可申請書(別記様式第40号)【特定遊興飲食店営業】 |
営業の方法を記載した書類 | ・営業の方法を記載した書類(別記様式第2号)【風俗営業】 ・営業の方法を記載した書類(別記様式第41号)【特定遊興飲食店営業】 |
営業所の使用について権原を有することを疎明する書類 | 使用承諾書・賃貸契約書・建物に係る登記事項証明書等 |
営業所の平面図及び営業所の周囲の略図 | 特筆事項なし |
申請者が個人の場合 | ・住民票の写し ・法第4条第1項第1号から第10号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面 ・市区町村の発行する身分証明書 |
申請者が法人の場合 | ・定款及び登記事項証明書 ・役員に係る住民票の写し ・法第4条第1項第1号から第9号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面 ・役員に係る市区町村の発行する身分証明書 |
選任する管理者に係る次に掲げる書類 | ・誠実に業務を行うことを誓約する書面 ・住民票の写し ・市区町村の発行する身分証明書 ・法第24条第2項各号に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面 ・管理者の写真2枚 |
引用:警視庁 風俗営業、特定遊興飲食店営業許可申請(欠格事由・必要書類)
飲食店営業許可
- 営業許可申請手数料
- 営業許可申請書(1部)
- 施設の構造及び設備を示す図面(2部)
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの
- 水質検査成績書(1部)
- 登記事項証明書(1部・法人の場合)
引用:新宿区 営業許可等の手続きについて
開業の流れ
開業の流れは以下を参考にしてみてください。
まず出店エリアや規模、お店のコンセプト、メニューの種類・料金などを明確にすることが大切です。そこで想定する物件の家賃や内装などを見積もり、資金調達を進めましょう。
物件を決める際は、風俗営業が可能か否かの確認はもちろんですが、周辺の人通りや競合店の調査もお忘れなく。また、手続きは1ヶ月以上かかる場合もあるため、できるだけ早めに申請しておくことをおすすめします。
▼キャバクラの集客に適した広告手法は以下の記事で詳しく解説しています。
キャバクラ開業の失敗を防ぐポイント
500万円ほどの資金とたくさんの時間や手間をかけて開業したものの、経営がうまくいかなければ水の泡。
この項目では、キャバクラ開業の失敗を防ぐポイントをご紹介します。このポイントを押さえておけば、スムーズな経営が期待できますよ。開業前にぜひ知っておきましょう。
最低3ヵ月分の運転資金も準備して臨む
知名度がない状態からキャバクラの営業をスタートする場合、しばらくは売上が低調な日が続く可能性が大いにあります。そのうえ物件の賃料や光熱費、キャストの人件費といったコストは毎月かかるため、資金ショートに陥るケースも。
そこで、明暗を分けるのが運転資金です。オープンしてすぐ経営が軌道に乗れば運転資金は不要ですが、すぐに成功する保証はありません。そのため、最低500万円の開業資金に加えて、ある程度の運転資金も準備して臨むほうが失敗しにくいでしょう。
運転資金は、最低3ヶ月分ほど、余裕があれば半年分準備しておくことをおすすめします。ちなみに、光熱費は売上の10%弱が目安。人件費はお店の状況によって異なりますが、一般的に売上の40%~50%相当と考えておきましょう。
お店のコンセプトを明確にする
繁華街の一等地にキャバクラを開業すれば、立地条件が集客面で功を奏し、競合との差別化はそこまで考慮せずとも成功するケースがあります。
とはいえ、繁華街の一等地にある物件の家賃は、高額なのが難点。開業資金を抑えるために一等地以外で開業する場合、お店のコンセプトが曖昧だと競合に埋もれて集客に失敗してしまう可能性があります。
開業を検討する段階で「誰をターゲットにするキャバクラか」を具現化し、そのコンセプトに合った内装を意識したりキャストを雇ったりすることが重要です。
また、他店の価格帯やキャストの年齢層・タイプ、衣装などを調べたうえで自店の方向性を検討し、オリジナリティを生み出せればうまく差別化できるでしょう。
ちなみにキャバクラの競合は、同業やガールズバーだけでなくエリアによっては風俗店も含まれます。コンセプトを策定する際は、開業を検討しているエリアにおける競合調査をしっかり行ってくださいね。
まとめ:キャバクラは最低500万円で開業可能!まずは資金の見積もりを
キャバクラの開業資金は最低でも500万円ほど必要。居抜き物件を選んだり風俗営業申請を自分で対応したりすることで、さらに少額の資金で開業することができます。
自分一人で資金調達できない場合は、家族や知人・友人に協力してもらうのもおすすめ。また、マッチングサイトで共同出資者を見つけるのもひとつの手です。
まずは経営計画を立てて、開業に必要な資金を見積もってみてください。「食品衛生管理者」と「防火管理者」の資格は早めに取得しておきましょう。
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